パワーハラスメントと指導の違い・示談方法

1.パワーハラスメントとは

 行政上、「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義されています。

 これに対して、裁判所は定義・規範というものは採用しておらず、発言や行為の有無だけではなく、言動と業務との関連を重視し、状況や本人の態度も考慮して、パワハラに該当するか否かを評価するといわれています。

 従って、裁判所は、発言が業務に関連した具体的な注意・指導に留まっていれば、多少表現が不適切であったり、声を荒げるようなものであっても、パワハラとまでは評価されないといわれています。

2.パワーハラスメントと指導の違い

 実際に会社を経営していくにあたり、経営者又は上司は、従業員や部下を指導してかなければなりません。そこで困るのは、どこまでが指導として許されて、どこまでがパワーハラスメントとして許されないのかといった線引きではないでしょうか。

 この点、次の4つの要素を総合的に考慮して判断すると言われています。すなわち、

 ①職務に関連しているか、それとも無関係な事柄に及ぶか

 ②具体的な説明や事後のフォローがあるか、それとも感情的か言いっぱなし

 ③方法が合理的か、それとも不合理か

 ④他の者との扱いが平等か、それとも不平等か

 といった要素が総合考慮され、パワーハラスメントか指導の範囲内かが判断されるといわれています。

3.被害者との示談

 では、実際にパワーハラスメントの被害者と示談をするにあたり、どのような点に注意をすればよいでしょうか。

  まず、会社の立ち位置ですが、基本的には加害者に積極的に示談交渉を行うようにさせ、会社はあくまで仲介的な役割を担うのが理想です。示談金もできる限り加害者本人に準備をさせるべきでしょう。

 たしかに、会社も示談金を支払うべき義務はあり得るのですが、やはりパワハラの直接の原因をつくった加害者本人が、当事者として経済的負担も負うべきと考えます。

 示談金額の相場ですが、100万円以上となるのは、暴行・傷害・脅迫など犯罪行為を伴う場合です。一般的には、休職に至らない程度のパワハラ案件では、それほど高額になることは少なく、10万円から30万円程度が多いと思われます。但し、パワハラが原因のうつ病等で休職する場合、休業損害等が加算されますので、金銭リスクが飛躍的に高くなる傾向にあることにご注意ください。

 早期の解決を図るために、被害者である従業員に労働局のあっせんへ誘導することを検討されてもよいでしょう。

 パワーハラスメント問題についてお困りの経営者の方は、ぜひ一度労務問題に詳しい弁護士にご相談ください。

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