年俸制に残業代は必要か
1.年俸制とは
年俸制とは、1年間で支給する給与の総額を決定し、これを12で割った金額を月々支払うというものです。
メリットとしては、労働時間だけでは評価できない成果を給与に反映することができる、人件費が一定程度固定できるといったものがあげられます。
2.年俸制と残業代
ここで注意しなければならないのは、年俸制だからといって、残業代を支払わなくてもいいということにはなりません。法定労働時間以上の労働をした場合には年俸とは別に時間外割増賃金を支給しなければなりません。
そこで、年間の割増賃金を年俸に含めて払う定額払い(固定残業代)の制度を導入することが考えられます。その際には、①割増賃金相当部分(何時間分の残業代か)と通常の労働時間に対応する賃金部分が明確であること、②年俸に含まれる賃金項目やその内容を就業規則(賃金規定)に定め、労働契約での確認、賃金明細へ反映すること、③固定残業代は月々12分割して支払わなくてはならないこと、④時間外労働時間が、上記①で定めた時間を超えた場合は、別途割増賃金を支払うこと、に注意してください。
残業代問題についてお困りの経営者の方は、ぜひ一度労務問題に詳しい弁護士にご相談ください。