1つの車に相乗りして現場へ向かってもらう場合、相乗りしている移動時間が労働時間に該当しないように注意すべき点はあるか
※プライバシー等の保護のため,事案の概要等は事案の趣旨を損なわない範囲で変更していることがあります。
業 種 運送業
お困りの問題 労務
経緯
数名の労働者に作業してもらう現場が少し遠方にあり、数名の労働者が営業所でいったん待ち合わせ、1つの車に相乗りして現場へ向かってもらう場合、この相乗りしている移動時間が労働時間に該当しないように注意すべき点はあるか。運転しているかどうかで違いはあるか。
対応
労働時間に該当するかどうかは、労働者が使用者の指揮命令下にあるかどうかで決まります。したがって、相乗りでの移動時間が指揮命令下にあると判断されないように注意する必要があります。具体的には、以下の通りです。
(1)移動方法の指定について
使用者が、労働者に対して、営業所で待ち合わせて相乗りで移動することを義務付けていた場合、原則として、相乗りでの移動時間は、使用者による指揮命令下にあると扱われ、労働時間に該当することになります。ですので、営業所で集合せずに現場へ直行してもらっても構わないことを、労働者の方々にお伝えください。証拠化のために、書面やメールでお伝えされたほうが良いと思います。
(2)移動時間中の行動制限について
相乗りでの移動時間中は、労働者の自由時間ですので、移動時間中の行動は制限しないようにしてください。たとえば、コンビニに立ち寄ることや、車内での睡眠や食事も、労働者の自由です。
(3)運転しているかどうかについて
運転しているか、助手席等に座っているだけかによって、労働時間の該当性が変わることはありません。”
企業は、日々、労働組合からの団体交渉の申し入れ、元従業員からの残業代請求、ハラスメント(パワハラ、セクハラ)の訴え、解雇に伴うトラブルなど、あらゆる課題を抱えています。誰にも相談できずに悩まれていらっしゃる経営者の皆様も多いと思いますが、まずは一度、労働問題に強い弁護士にご相談ください。
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