Q.IT非対応社員への対応方法
テーマ:IT非対応社員への対応方法
質問
当社では、業務の効率化やコスト削減、環境保護等の観点から、IT化(ペーパーレス)を進めています。
ところが、長年勤めているベテラン社員の一部が、紙ベースでの作業にこだわり、指導をしても改める様子がありません。
会社としてはどのように対応するべきでしょうか?
回答 会社の対応方法
1.IT機器を使わない理由の確認
単に個人の好みで使っていない場合は、IT機器を使うように繰り返し注意・指導を行います。
それでも、拒否した場合に、軽度の懲戒処分をします。
複数回、注意・指導し、それでも改善の見込みがない場合、解雇を検討します。
IT機器を使わない理由が、機器の使い方がわからない、従前のやり方のほうが仕事がはかどる等といった理由の場合、IT機器について、基本的な教育から行います。
それでも改善ができない場合、解雇を検討します。
2.能力不足を理由とする解雇
裁判例では、解雇が有効となるためには、「会社が、能力不足の内容を指摘して教育・指導を行い、配転等を行ってできるだけ解雇を回避する努力を尽くしたことを証明すること」が求められています(東京地決平成6.11.10、東京地決平成11.10.15等)。
IT機器を活用しないことでどのような業務上の支障が生じているのか、他のIT機器を使用しない部署への配転の余地はないか、といった事項を検討し、慎重に決断を下すべきでしょう。
採用の際には、求められるIT機器のスキルを明示しておくことも大切です。
問題社員への対応についてお困りの経営者の方は、ぜひ一度労務問題に詳しい弁護士にご相談ください。
企業は、日々、労働組合からの団体交渉の申し入れ、元従業員からの残業代請求、ハラスメント(パワハラ、セクハラ)の訴え、解雇に伴うトラブルなど、あらゆる課題を抱えています。誰にも相談できずに悩まれていらっしゃる経営者の皆様も多いと思いますが、まずは一度、労働問題に強い弁護士にご相談ください。