Q.外国人労働者を雇用する際に雇用(労働)契約書に記載すべき文言とは?

テーマ:外国人労働者を雇用する際の雇用(労働)契約書

質問

このたび、わが社で外国人労働者を採用決定しました。ところがその後、在留許可の申請が不許可になってしまったのですが、このような場合にそなえて雇用(労働)契約書に記載しておいた方がよい文言や条項はありますか?

 

回答

採用決定後に在留資格の申請が不許可になった場合、労働契約は成立しているが就労できない状況となっています。労働者の側からすれば労働を提供できない状況にあるわけですから、債務不履行の状態といえます。そこで、会社としては、任意で退職してもらうか、解雇手続き(普通解雇)をとることになります。

ただし、本人が外国にいる場合等、解雇通知が本人に届かないおそれあります。また、就業規則に解雇手続きを具体的に明記している場合(本人に弁明の機会を付与している等)には当該手続きを遵守しなければ、手続き違反として、解雇が無効になるおそれがありますので、特に注意が必要です。

そこで、雇用(労働)契約書に次の点を明記しておくとよいでしょう。

①就労可能な在留資格の取得を停止条件とすること

②取得できないときは、労働契約は成立しないものとすること

 

このように明記しておくことで、就労可能な在留資格の取得が得られない場合、最初から労働契約は成立していないことになりますので、上記のような解雇手続き等が不要となります。

また、入国管理局に不許可の理由を確認し、再申請をすることも可能です。そこで、再申請をする場合は、不許可の理由となった状況を改善し、それを裏付ける主張と証拠を提出していきましょう。

なお、雇用対策法により、全ての事業主の方に、外国人労働者(特別永住者及び在留資格「外交」・「公用」の者を除く)の雇い入れと離職の際に、その都度、ハローワークへ届け出ることが義務付けられています。報告書の届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合には、30万円以下の罰金(雇用対策法第38条第2項)のおそれがありますので、ご注意ください。

外国人労働者の問題についてお悩みの経営者の方は、この分野に詳しい弁護士にご相談ください。

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