Q.協調性に欠ける社員への対応方法
テーマ:協調性に欠ける社員への対応方法
質問
同僚に迷惑をかける、後片付けにも協力しない、気に食わないことがあれば怒鳴りちらす等、協調性に欠ける社員がいます。
他の社員からも「彼とは一緒に働くことはできないので何とかして欲しい」との相談が多く寄せられています。この社員が原因で退職してしまう社員まで出てきている始末です。
このような場合、この社員を懲戒解雇することはできますか?
回答 (会社の対応方法)
協調性に欠ける社員を放置しておくことは、企業秩序を乱し、企業の存立にかかわる問題にも発展しかねません。
場合によっては、懲戒処分を検討する必要があります。そこで、一般的な会社の対応方法は次のとおりとなります。
①関係者からの事実確認をする
②注意、指導を行い、協調性の改善を試みる
③共同作業等チームワークを必要としない他部署への配転が可能かを検討する
④それでもやむを得ない場合、懲戒処分(「社員としてふさわしくない言動をし
たとき」等)。但し、軽度の懲戒処分から検討する。
⑤最後に解雇(懲戒解雇又は普通解雇)を検討します。
【懲戒解雇】
懲戒解雇処分に関しては、本人の協調性の欠如によりいかに企業秩序が阻害されているかがポイントとなります(大阪地決平成4.3.31)。
【普通解雇】
普通解雇処分に関しては、協調性欠如が職場に適用する能力がないという場合に該当し、解雇事由になりうる場合があります(解雇事由「執務能力が著しく不良」)。
この場合、協調性を特に必要とする職場であるか否かがポイントとなります。
また、協調性欠如に至った理由として、本人の性格の本質に由来するものでは
なく改善可能であるような場合において、解雇が無効とされた判例あります。そ
こで、本人の改善可能性の有無もポイントとなります。
問題社員への対応についてお困りの経営者の方は、ぜひ一度労務問題に詳しい弁護士にご相談ください。
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