Q&A「従業員の降格」

テーマ:従業員の降格

質問

①従業員を降格させたために,降格前の役職に基づく役職手当が不支給となる場合,賃金を減額することになりますが,その金額等に制限はあるのでしょうか。

②そもそも降格自体が違法になる場合もあるのでしょうか。

③みなし残業代制度を採用しているのですが,降格後は,みなし残業代も減額してよいのでしょうか。

 

回答

1 役職手当の不支給について

降格により役職手当を不支給とすることは,降格そのものが無効でない限り,何ら問題ございません。

懲戒処分による減給の場合とは異なり,降格による役職手当の不支給の場合には,労働基準法上,減給額に制限はありません。

 

2 降格の適法性について

まず,従業員の能力や実績が見合っていないために,人事権の行使により従業員を降格する場合,基本的には会社に裁量がありますので,降格に関しては,就業規則の根拠は必要ございません。

ただし,例えば,従業員を退職に追い込むことを目的として降格したり,育休,有給のような正当な権利行使を妨げるために降格したり,従業員に大きな落ち度があったわけでもないのに2階級以上降格するといったように,不相当な理由で降格する場合には,会社の裁量権の濫用として,降格そのものが無効と判断される可能性がありますので,注意が必要です。

 

3 降格後のみなし残業代計算について

役職手当を支給している場合には,残業代計算の基礎賃金に含める必要がございますが,役職手当不支給の場合には,これを基礎賃金に含める必要はございませんので,降格に伴いみなし残業代の金額が減少しても,特に問題ございません。

 

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