Q&A「時間外労働等の労働時間の計算にかかる端数処理」

テーマ:時間外労働等の労働時間の計算にかかる端数処理

質問

残業時間は,必ず1分単位で計算しなければならないのでしょうか。事務処理の負担を少なくするため,例えば,1時間単位で残業代を計算するとして,60分未満の端数については切り捨てる処理を行うことはできないのでしょうか。

また,その場合,就業規則には,単位計算,端数処理を実施する旨,どのような文言で定めればよいでしょうか。

 

回答

1 会社には社員の労働時間に応じた賃金を支払う必要があるため,原則として,1分単位で労働時間を計算しなければなりません。

ただし,例外的に、1か月間の時間外労働、休日労働、深夜労働の合計時間に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げるという処理を行うことは認められています。このような処理であれば、必ずしも社員に不利とはならないためです。

ご質問の例のように,1時間単位で残業代計算をする場合に,60分未満の端数全てを切り捨てるとすれば,社員に一方的に不利な扱いをすることになり,社員の労働時間に応じた賃金を支払っているとはいえませんので,このような処理は認められません。

 

2 就業規則における定め方としては,例えば,労働時間の計算に関する条項に,

「1か月における時間外労働,休日労働及び深夜業の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に,30分未満の端数を切り捨て,それ以上を1時間に切り上げる。」

という項目を追加することが考えられます。

 

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